タントラのきほん

準備ができたら、いよいよタントラに入ります。

タントラ瞑想では1回につき50分間の瞑想を推奨します(ヴェーダの瞑想の1単位は48分とされていますが、エネルギーの同調がおこるまでの時間を含めて50分としています)。 

1日1回または2回の瞑想をお薦めします。

 

タントラ瞑想のマントラには「重さ」があります。

1~3ヶ月程度テクニックを続けて「重さ」になじんできたと感じたら、次のテクニックに進んでください。

 

タントラ瞑想のテクニックは自然と変化していきます。

同じモチーフが少しずつ姿を変えながら繰り返し登場します。

瞑想中に変化が起きたら変化に任せて、ご自身にやって来たものを使ってください。

テクニックがやって来るようになったら、途中でサロンを卒業して大丈夫です。


五智如来

五智如来
五智如来

いよいよタントラの本題「エゴの分解」に取りかかります。

 

ところで、今まで『エゴ』は苦しみの元凶であると教わってきましたが、そもそも『エゴ』とはなんでしょうか。

『わたし』の中の悪い部分?それとも精神的な器官やはたらき?

エゴは無知で攻撃的で傲慢なうえ、しつこく嫉妬深いといわれます。

そうした性質はたしかにじぶんのなかに在り、なにかの拍子でぐわっと表出します。

まるで悪魔のようにわたしたちの心と身体をのっとり支配します。じつにやっかいです。

でも『エゴ』そのものを見たことはありますか?触ったことはありますか?

 

五つのスカンダ(五蘊)

チベット仏教では、エゴとはあれこれの感情や概念の寄せあつめであるといいます。

「この塵の山に名前をつけてみよう。そうだ『わたし』とよぶことにしよう」

 わたしの心と身体を支配する悪魔のようなエゴも、それに対抗する高次のセルフとやらも実体をもたないようです。

スカンダ(蘊)は「集まり」を意味します。

チベット仏教では、有象無象が集まりエゴが形成されていく過程を「五蘊」とよんでいます。

 

第一スカンダ(色蘊)

はじめ、何もない・何ものでもない・何にも属さない空間がありました。

何もないからこそ、モノを置いたり交換したりする余裕があるのです。それを原初の知性といいます。

広い空間を自由に舞いおどります。あるとき、ふと空間をおどり回る『じぶん』に気づきます。

『空間』から『わたし』が切り離されます。『他者』と『わたし』が生まれ、『かたち(色)』が固定されたのです。

こうして、空間の自由さ・自在さが失われました。

 

第二~第四スカンダ(受蘊・想蘊・行蘊)

空間から切り離されてしまった『わたし』。だだ広い空間にぽつんと置きざりにされ、恐怖に立ちすくみます。

頼りなくかよわい『わたし』をどうにか守らなくてはいけません。

『わたし』以外のモノを感じ(受)、感じとった情報から「良い・悪い・どうでもいい」を衝動的に判別します(想)。

知覚とそれに対する衝動的な反応を蓄積するうち、わたしたちは物事を分類し「美しい」「醜い」「きれい」「汚い」などのラベルを貼るようになります(色)。こうして概念をつくりだすわけです。 

 

第五スカンダ(識蘊)

「感じる」「衝動的に判断する」「分類してラベルを貼る」が組みあわせられ、『認識』が生じます。

感情と思考が生まれ、わたしたちは概念で形づくられた空想の世界の住人になりました。

 

どうやらわたしたちは現実世界のモノを概念化して頭の中に取りこみ、頭の中にもう一つの「世界」を構築してきたようです。

ほんとうの現実世界に目をむけずにせまい「頭の中の世界」で生きていたから、あんなに窮屈で苦しかったのかもしれません。

ところで、五層の塵の山の下には原初の知性が隠れています。だれもが持って生まれたしたたかでしなやかな知性です。

タントラでは概念を分解して、今まで感情や概念の維持のために遣われていた膨大なエネルギーを生来の五つの智慧に変換していきます。わたしたちが生まれ持った五つの智慧を象徴するのが五智如来です。

 

ふだんの生活や瞑想のなかで「エゴを分解しよう」「変えよう」と考える必要はありません。

タントラ瞑想を続けるうちに、自然と概念がほどけてエゴが変性していきます。


大日如来

大日如来
大日如来

白の大日如来はすべてを内包する広い空間の象徴です。四智の土台となるエネルギーと原初の知性を表します。

無知の塵(クレシャ)がつもり、「かたち(色)」の山(スカンダ)となって大日如来をおおい隠しています。その影響は、現実を見ようとしない・現実から目を背ける怠惰として現れます。

わたしたちの中の大日如来の性質が露わになると、荒涼としただだ広い空間の寒々しさを感じるかもしれません。

大日如来のシンボルは「ダルマの車輪」。触覚と身体を司り、曼荼羅の中心に位置します。

阿閦如来

阿閦如来
阿閦如来

青の阿閦如来は、冴えわたる冬の夜明けの水鏡のような鋭い知性の象徴です。視点を水のように自在に動かし、物事を見極めます。

攻撃の塵(クレシャ)がつもった「認識(識)」の山(スカンダ)を阿閦如来をおおい隠しています。その影響は、思いこみによる怒りや理屈づけとして現れます。

わたしたちの中の阿閦如来の性質が露わになると、明晰さと友愛が生じます。

阿閦如来のシンボルは「金剛杵」。視覚と心を司り、曼荼羅の東に描かれます。

 

宝生如来

宝生如来
宝生如来

金の宝生如来は、円熟したみのりの秋のような豊かさの象徴です。大地のようにゆるぎない豊かさと公平さをもちます。

傲慢の塵(クレシャ)がつもり、「感覚(受)」の山(スカンダ)となって宝生如来をおおい隠しています。その影響は、高慢や欠乏感として現れます。

わたしたちの中の宝生如来の性質が露わになると、寛大さと公平さが生じます。

宝生如来のシンボルは「宝珠」。味覚と性質を司り、曼荼羅の南に描かれます。

阿弥陀如来

阿弥陀如来
阿弥陀如来

赤の阿弥陀如来は、うららかな春の陽射しのような温もりの象徴です。火のように熱と光を発します。

情熱の塵(クレシャ)がつもり、「衝動(想)」の山(スカンダ)となって阿弥陀如来をおおい隠しています。その影響は、所有欲や執着として現れます。

わたしたちの中の阿弥陀如来の性質が露わになると、正しい理解と共感が生じます。

阿弥陀如来のシンボルは「蓮華」。嗅覚と言葉を司り、曼荼羅の西に描かれます。

 

不空成就如来

不空成就如来
不空成就如来

緑の不空成就如来は、初夏に青々と生いしげる木々のような生命力の象徴です。風のように自在に身軽に動きまわります。

嫉妬の塵(クレシャ)がつもり、「概念づけ(行)」の山(スカンダ)となって不空成就如来をおおい隠しています。その影響は、焦りや羨望として現れます。

わたしたちの中の不空成就如来の性質が露わになると、喜びそして行動の適切さとエネルギーが生じます。

不空成就如来のシンボルは「十字羯磨(交差金剛杵)」。聴覚と行動を司り、曼荼羅の北に描かれます。


1-1:五智如来 下位Ⅰ

¥7000円:こちらからご購入ください→五智如来 下位Ⅰ

『1-1: 五智如来 下位Ⅰ』には、5つの瞑想法が含まれます。

大日如来・阿閦如来・宝生如来・阿弥陀如来・不空成就如来の5つの瞑想法です。

『1-1: 五智如来 下位Ⅰ』では五智如来のエネルギーが広がっていきます。

『イメージング』といって瞑想時に如来の姿をイメージする必要があります(簡単にざっくりとでいいです)。

1回50分間の瞑想で1つのマントラを使って、各如来のエネルギーをじっくり楽しんでください。

 

 

 

 

1-2:五智如来 下位Ⅱ

¥7000円:こちらからご購入ください→五智如来 下位Ⅱ

『1-2:五智如来 下位Ⅱ』には、5つの瞑想法が含まれます。

『1-2:五智如来 下位Ⅱ』では五智如来のエネルギーが深く浸透していきます。

瞑想時に如来の姿をイメージする必要があります(簡単にざっくりとでいいです)。

1回50分間の瞑想の瞑想で1つのマントラを使って、各如来のエネルギーをじっくり楽しんでください。

 

1-3:マハカーラーⅡ

¥3000円:こちらからご購入ください→マハカーラーⅡ

マハカーラーは意識を着地させる『重り』として働きます。『1-3:マハカーラーⅡ』では『重り』が大きくなり、グランディングが強化されます。

『1-3:マハカーラーⅡ』を始めたばかりの頃は、かなり重く感じると思います。
『1-1:五智如来 下位Ⅰ』や『1-2:五智如来 下位Ⅱ』の瞑想をはさみながら続けてください。

 

1-4:五智如来 上位Ⅰ

¥7000円:こちらからご購入ください→五智如来 上位Ⅰ

『1-2:五智如来 上位Ⅰ』には、5つの瞑想法が含まれます。

上位マントラではイメージングは不要です。五智如来のエネルギーが軽やかに広がっていきます。

1回50分間の瞑想の瞑想で1つのマントラを使って、各如来のエネルギーをじっくり楽しんでください。

 

1-5:五智如来 上位Ⅱ

¥7000円:こちらからご購入ください→五智如来 上位Ⅱ

『1-2:五智如来 上位Ⅱ』には、5つの瞑想法が含まれます。

上位マントラではイメージングは不要です。五智如来のエネルギーが深くなじんでいきます。

1回50分間の瞑想の瞑想で1つのマントラを使って、各如来のエネルギーをじっくり楽しんでください。

 

1-6:マハカーラーⅢ

¥3000円:こちらからご購入ください→マハカーラーⅢ

マハカーラーは意識を着地させる『重り』として働きます。『1-6:マハカーラーⅢ』では『重り』がさらに大きくなり、グランディングが強化されます。

『1-6:マハカーラーⅡ』を始めたばかりの頃は、かなり重く感じると思います。
『1-4:五智如来 上位Ⅰ』や『1-5:五智如来 上位Ⅱ』の瞑想をはさみながら続けてください。


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